夕方、思い立って、新国立美術館へ。
十分な空間と静けさが感じられるこの時間はとても好き。
一人のコレクターが集めたという、この「ビュールレコレクション展」は、
名立たる画家の作品の数々を贅沢に観ることが出来ました。
「この筆の感じは・・・・」と見覚えのある作風に近づいていくと、
ドガであったり、ピカソであったり、ルノアールであったり、
さらには、ゴッホにゴーギャンEtc…が並びます。
64点もの名作が、個人宅に収蔵されていたとは、驚嘆します。
あまりに豪華で、視点が忙しくなってしまったのですが、
画風の多様さの中に、
プライベートでの「くつろぎ」に合う作品で調和されているように思いました。
惹かれたのは、エドゥアール・マネの「ベルヴュの庭の隅」。
静寂の中で聞こえる風や鳥の囁き、柔らかな日差しが生々しく感じられ、
眠気をそそる至福感に包まれます。
少女の頃は、印象派の絵が好きだったことを懐かしく思い出しました。
気の向くままに、来て良かった。
そう思わせてくれたのは、最後の1枚。
日本初公開のクロード・モネの「睡蓮の池・緑の反映」。
妻に続いて、長男を亡くした失意のモネが、再び睡蓮と向き合う。
白内障の悪化と闘いながら、時間をかけて描かれたという壮大な1枚。
どうして、こんなにも安らいだ気持ちになるのだろう。
水辺に浮かぶモネの心の色に、深く癒されました。