「自分を知らなければ長生きできるだろう」
そう予言され生まれきた男の子
やがて、世にも稀な美貌と魅力をもつ美少年に育ちました。
誰をも一目で虜にしてしまう彼は、
うぬぼれ屋となり、誰のラブコールにも振り向くことはありませんでした。
「あの少年も恋を知りますように・・・
そして、報われない苦しみを味わいますように・・・」
それは、死ぬほど彼に恋をしたニンフの一人が
復讐の女神ネメシスにお願いした言葉です。
やがて、彼は、通りかかった澄んだ池に映る美しい姿に恋をします。
そう、その影が自分自身だとは知らずに...
身を焦がせば焦がすほど、
相手にも同じ反応を返されるばかり...
生まれて初めての恋。
そして その報われない思いに苦しみます。
ついに、その影が膨らみすぎた自分のエゴだと知った時...
その欲望が解かれると同時に、その少年は息絶えてしまいました。
かけつけたニンフ達は
消えていなくなってしまった,彼の居た水辺に、
白い花びらに取り巻かれた美しい黄色い水仙の花を見つけた言われています。
その名はナルシスです。
Narcissus スイセンは、ヒガンバナ科の花で、
Narko「麻痺」「無感覚」を意味するギリシャ語からきています。
スイセンを食べると、麻痺状態になるのだとか。
水辺で下向きに咲くその姿は、水に映る自分に陶酔するナルキッサスそのもの。
ナルシストとは、この美少年ナルキッサスから由来している言葉です。
このスイセンの精油は大変貴重で高価なもので、香りは、
うっとりするほど、甘く濃厚でありながらも、草っぽいツンとする刺激を残します。
香料業界では、頻繁に使用されます。
とても女性的で、柔らかく、そして重く残ります。
花言葉「自己陶酔」にあるように、香れば香るほど、虜になります。
また、スイセンは、催眠効果がありますが、官能的な要素を残す、
とてもロマンティックな精油です。
アロ魔女の媚薬には欠かせません。
ほんの少し、媚薬に混ぜて使用するのが,おススメです。
スイセンは、この陶酔作用から、霊感を与えて、幻覚症状を与えるとも言われています。
インスピレーションを喚起し、
クリエイティブな仕事を持つ人に自由なイマジネーションを与えてくれます。
誰にでもある自己愛 ナルシズム
なくすことは出来ず、時には、そのエゴによってがんじがらめになることも...
ナルキッサスの空しくも悲しいお話は、そんなエゴをもつ人間の性をも教えてくれます。
人生で起きてくるあらゆる課題に、悩み、嘆き、とことん苦しんだ末には、
私たちの現実が、エゴの「幻想」だとはっと気づく時が訪れます。
このエゴの消滅は、ナルキッサスが消えてしまったように、「自我の死」を現すとともに、
、苦しみの終焉であり、永遠の魂からの祝福でもあるように思います。
それにしても、自惚れ屋のナルキッサスが、
花として生まれ変わっても、なお美しいというのは
どれだけの美貌の持ち主だったのか想像を膨らませます。
このお花は、神々に愛され、人々を魅了し、あらゆる地に植えられたそうです。
ナルシスのエッセンスを調合したBIYAKUでは、
いくつもの愛のエピソードがアロ魔女の元に届いています。
生まれ変わりのナルキッサスが、
切実な想いをサポートしてくれているのかもしれません。